医療機関が診療行為を行ったときに、診療報酬を基準にして医療費の算定を行います。この内、3割や2割などが自己負担となり、残りが保険者からの支給となるわけですが、この診療報酬債権による借金をファクタリングとして、大きな事業のために利用することがよくあります。診療報酬債権は患者がいればほぼ確実に収入となることから、ファクタリングによって貸し付けを行ったとしても、返済の見込みがしっかりとあるために、貸す側も安心して貸し出せる制度となるわけです。無論、規模が小さいところではファクタリングによる貸付額もそれほど巨額に出来るとは限りません。
診療報酬債権ですから規模がそもそも小さい医療機関では、患者数が少ないことがあります。患者が少なければ医療費収入はそれほど多くはなりません。したがって、それを見込んでの診療報酬債権回収によるファクタリングは、貸し倒れの危険性も増してきてしまいます。安全であるとは言え、今後の日本は少子化と高齢化とで人口減少へと移ってきています。
人口が減ると言うことは患者数も減ると言うことですから、中長期的な債務は危険性を増すことでしょう。すなわち、患者数の減少に伴う収入源が発生し、返済がスムーズに行かなくなったりあるいは収益性が乏しくなる可能性があるということです。それでも巨額の借り入れが可能なファクタリングは、医療機関などにとっては魅力的な制度であることは間違いがないものです。